Pharoah Sanders & Bill Laswell/With a Heartbeat LP
注:) この度の入荷は限定盤のバーガンディ、GLOSSY024C
2003年にオリジナルがリリースされた”With A Heartbeat”は、Bill Laswell、Pharoah Sanders、Graham Haynesによるコラボレーション作品で、先を見据えた音楽でありながら、その核心はまだ謎に包まれたままです。今回、初の公式アナログ盤としてリマスタリングされたこの再発は、通常盤のブラックと限定盤のバーガンディ、2種類が発売されます。
このアルバムの核心には、他に類を見ない、しかし印象的な要素があります。それは、人間の心臓の鼓動という一定のリズムで、単なるコンセプチュアルな演出ではなく、音楽そのものの基盤でアルバム全体を支える深く重厚なベースのようなリズムとして扱われています。Laswellは、そのリズムを中心に、ベースラインが膨張し、消え去り、再び現れる、空間が音と同じくらい重要な要素となるダブの手法を取り入れ、独特の音の世界を構築しています。
長尺の楽曲を通して、アルバムはゆっくりと、そして意図的に展開します。エレクトリック・シタール、ギター、キーボード、そして繊細なパーカッションのレイヤーが幾重にも重なり、まるで潮の流れのように流動的な動きを生み出しています。心臓の鼓動は全編を通して感じられ、最も抽象的なパッセージでさえも、物理的で直感的な何かによってしっかりと地に足がついたものとなっています。
この作品の中心にあるのは、Sandersの探求的で広がりがあり、深い精神性を感じさせるサックスです。彼の演奏は楽曲の構造を自由に駆け巡り、時にはJohn Coltraneの系譜を彷彿とさせつつも、その枠を超えていきます。そして、Haynesはその傍らで、変化に富んだテクスチャーの中を縫うように、補完的な声を添えています。
その結果生まれたのは、スピリチュアル・ジャズの要素と、ダブの持つ空間性と変容の感覚が形作った、未来を見据えた実験的な要素が融合した、容易に定義づけることの出来ない作品です。又、瞑想的で没入感があり、深いリズム感に満ちた”With A Heartbeat”は、固定されたテンポではなく、生命そのものの鼓動に導かれるかのように、まるで生き物のように展開しています。
今回のリリースでも、Glossy Mistakesは、本質的で先見性のある音源を新たなフォーマットで提供し、その深みを保ちつつ、新たなリスナーに届けるという取り組みを継続しています。