M'Bamina/African Roll (LP")

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商品コード 05335
販売価格(税込) 6,200 円
通常価格: 6,200 円
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アーティスト M'Bamina
タイトル 1 A1 Kyrie Paien 2:23
2 A2 Wendo 3:28
3 A3 Malonga 6:23
4 A4 Bakoko 4:02
5 A5 Messe Noire 3:26
6 B1 Benguela 5:48
7 B2 Ayewa 4:22
8 B3 Watchiwara 3:00
9 B4 N'Zoumba 4:02
10 B5 African Drums 2:18
レーベル Jungle Fantasy
試聴リンク Youtube-PlayList 1〜10

M’Bamina – African Roll (1975)

アフリカ、イタリア、そして1970年代のナイトクラブの文化が交錯して生まれたアルバムの物語。1970年代のイタリア、社会が激変し、音楽シーンがようやく遠い異国の音や文化に門戸を開き始めた頃で、驚くべき、ほとんどあり得ないような物語が形造られていった。それは、ヨーロッパへと渡ったアフリカ出身の若手ミュージシャン達の物語であり、様々なコミュニティや実験的な音楽家達の交流の場となったトリノのナイトクラブの物語であり、そして当時はごく少数しかリリースされずほとんど注目されなかったものの、今やアフロ・フュージョンの希少な名盤として評価されているアルバムの物語である。

そのバンドは”M’Bamina”と名乗り、1970年代初頭にイタリアに渡ったコンゴ、カメルーン、ベナン出身のミュージシャン達によるグループだった。彼らは北イタリアとパヴィア地方を拠点とし、小さなクラブや地域イベントで演奏を始めました。その演奏には、アフリカのポリリズム、コール・アンド・レスポンスのボーカル、ファンクの要素を取り入れたベースライン、そして音楽の旅の途中で吸収したカリブやアフロ・ラテン音楽の色彩といった、活気溢れるリズムの伝統が息づいており、ステージ上で放つ彼らの生々しく、人々に伝染するようなエネルギーは、瞬く間に注目を集めた。

その頃、トリノでは別の物語が進行していました。とあるクラブが、もはや伝説的な存在になりつつあった。Ivo Lunardiが経営する、この街で最も活気あふれるナイトクラブの一つ、”Voom Voom”です。そのクラブには、学生、アーティスト、外国人、夜更かし好きなど、実に多様な人々が集まっており、直ぐにLunardiは、ダンスフロアが単なる音楽を楽しむ場所ではなく、新しい文化のエネルギーが交じり合う場であることを理解します。その活気溢れる雰囲気の中から、彼はあるアイデアを思いついた。それは、クラブの名前を冠した”Voom Voom Music”という小さなインディーズ・レーベルを立ち上げ、当時の精神を捉え、型にはまらないプロジェクトに光を当てることです。

LunardiはM’Baminaを聴いた瞬間、これこそが自分が探し求めていた音だと直感した。それは新鮮で、当時のイタリアで流行していたものとは一線を画し、アフリカの伝統とファンク、そしてヨーロッパの感性を融合させる可能性を秘めていた。彼はM’Baminaをスタジオに招き入れます。

プロデュースはLunardiとChristian Carbazaが担当し、エンジニアリングは鋭く直感的な耳を持つ若手サウンドエンジニア、Danilo Pennoneに任された。

1975年にトリノで行われたレコーディングセッションは、驚くほど温かく、ダイレクトなサウンドを生み出します。その音楽はまるでライブ演奏のようで、アフリカの伝統に根ざしたグルーヴでありながら、ファンク・ロックの構造やモダンなアレンジにも柔軟に取り入れており、それは決して無理強いされたものではなく、自然な融合です。各楽曲は、部族のリズム、ファンキーなベースライン、軽快なエレキギター、コンガ、そしてアフロ・ラテン系のパーカッションを織り交ぜ、コール・アンド・レスポンス形式のボーカルと、コンゴの伝統とラテン・ジャズの系譜、両方を彷彿とさせるメロディーが特徴となっています。偶然ではなく、このアルバムで最も印象的な楽曲の一つである”Watchiwara”は、ラテンのスタンダード曲をM’Bamina独自のリズム言語を通じて再解釈した楽曲です。

アルバムのタイトルは”African Roll”、既ににその意図を明確に示しています。それは、新たな地理的、文化的環境の中で”転がり”、動き、適応し、変容していくアフリカ音楽の事です。厳密にはアフロビートでも、コンゴのルンバでも、西洋のファンクでもない。計算された美的プログラムよりも、むしろ生きた経験によって形成された、自発的でハイブリッドな融合体なのです。

”African Roll”がリリースされたとき、世間はほとんど注目しなかった。流通は限られており、1970年代のイタリアには、こうした音楽を受け入れる文化的基盤がまだ整っていなかったのです。国内の音楽メディアがアフリカや”ワールド・ミュージック”の作品に注目することはめったになく、このアルバムは静かに忘れ去られていきます、しかし、バンド自身の物語はそうではなかった。

M'Baminaはヨーロッパやアフリカ各地で演奏活動を続け、カメルーンではなんとManu Dibangoと共演を果たします。1970年代後半にはパリに移り住み、Fiesta/Deccaと契約を結び、2枚目のアルバム”Experimental”(1978年)をリリース、一方、彼らがトリノで残したあの特異なレコードは、レコード・コレクターやアフロ・ファンク愛好家、そして忘れ去られたグルーヴを探し求めるDJ達の間で、静かに再び注目を集め始めていきます。

こうして、このアルバムの運命は大きく変わり始めます。

数十年の時を経て、”African Roll”は他に類を見ない貴重な作品として注目を集めるようになった。それは、”異文化”という言葉が生まれる以前の、異文化が混在したイタリアの姿を捉えたスナップショットであり、移民の歴史の一片、そして大手音楽業界とはかけ離れた場所で生まれた、真に独創的な音楽融合の実験の結晶です。オリジナル盤はコレクター市場で高値で取引されるようになり、このアルバムは1970年代のヨーロッパのアフロ・フュージョンの隠れた名盤の一つとして認知されます。

原盤から50年以上が経った今日、この再発盤は、聴かれ、研究され、称賛されるべきプロジェクトに、遂に再び注目と尊厳を取り戻します。これは単なるアルバムではありません。かつて、こうした交流がどのように実り、豊かなものになるかを知らなかったイタリアで生まれた、稀有な文化的出会いの証なのです。

これは、先見の明を持つプロデューサーと、類まれな才能を持つバンド、そして音楽と移住、ナイトライフが融合し、真に新しい何かを生み出した、はかない一瞬の物語です。

”African Roll”は、今こそ、大陸と大陸、時代と時代、文化と文化を繋ぐ架け橋となるサウンドで、遠くまで旅をした後、遂に故郷に帰ってきたレコードです。
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