Placid Angles/Canada (2xLP")
2x12” gatefold cover.
Limited to 500 copies.
Design by Blair French
Typography / Layout by Tijl Schneider
”Canadaでは、Beltranの作品にみられる様々な特徴的要素は新たな高みに達し、高らかに聳える山々、起伏のある森、そしてカナダの広大な大地を流れる氷河の水路が、高揚感溢れるシンセのフレーズやリバーブのうねりの中に鮮やかに描き出されています。決まったアプローチは存在せず、各トラックが独自の個性を持ち、それらが相まってアルバム全体を包み込み起伏のある物語を紡ぎ出しています。オープニング・トラック”Sainte Anne”の渦巻くようなフィンガーピッキングのギターと鋭いピアノの響きは、この先アンビエント色の強い楽曲が展開することを予感させるかもしれません。実際、”Reminds Me Of The Rain”のような楽曲では、洞窟のようなポリシンセのドローンや加工されたボーカルを駆使し、ビートのない楽曲構成へと果敢に踏み込んでいます。同様に、”Sweet Morning Dream”は、ゲート処理されたコードの至福の滝で、アルバムの終盤を優しく包み込んでいます。
しかし、このアルバム”Canada”の大部分はリズムによって動かされています。タイトル曲は、リバーブをふんだんに用いて、ビッグルームの重低音と夢のような雰囲気の魅惑的なバランスを生み出し、ドラムを前面に押し出した展開から始まり、シンフォニックなハーモニーの壮大なクライマックスへと徐々に盛り上がっていきます。”Sun”は、疾走感あふれるドラムマシンのプログラミングを、広がりのあるパッドと穏やかなフルートの旋律が支えた、眩いばかりのアンギュラーな(角ばった)冒険です。”Hero”は、粘り強い2ステップのリズムにグルーヴを見出し、ミックスの中を飛び交う断片的なボーカルと軽快なシンセラインのおかげで、UKガレージに秘められた情感的な可能性に対する新たなビジョンを提示しています。”Hands Of Love”は、トリップホップのビートダウンへと滑らかに移行し、アルバムのクライマックスへと導いていきます。
単なる独奏の努力にとどまらず、カナダ国内の幅広いアーティスト達とのコラボレーションは、Beltranが時代やシーンを超えて広く尊敬を集めていることの証左です。バンクーバーを拠点とする新進気鋭のシンガー、Sophia Stelは、”I Want What I Want”の荒削りなアーメンブレイクと感傷的なコード進行に、仄かに色付いた優雅さと、雨の日のポップな趣を吹き込んでいます。そして、ロンドンを拠点とするテクノの探求者、Tom VRは”Tides Alternate”に物憂げなシンセのレイヤーを加え、ブリストルのYushhは”Wildfire”に、彼女の緻密なプログラミングと未来志向のサウンドデザインの手腕を注ぎ込んでいます。
Beltranのサウンドと次世代のアーティスト達との自然な融合は、彼の音楽が持つ普遍的な魅力を如実に物語っています。Beltran自身も、”Canada”で取り入れた特定のサウンドに込められたノスタルジー(郷愁)を認めていますが、同時に、このアルバムは正に”今、この瞬間”にしか生まれ得なかった作品でもあります。これは、過去の経験に深く根ざしつつも、これから訪れる全て受け入れる、目も耳も心も開かれた表現であり、テクノの伝統に対して特に情感豊かなアプローチを持つアーティストによって届けられた作品です。”
20枚以上のアルバムをリリースしてきたJohn Beltranが、長年愛されてきた自身のプロジェクト”Placid Angles”に復帰し、これまでで最も力強い作品の一つを届けます。長年のによって培われた、音の質感、空間、そして感情に対する深い洞察と意識が、正に絶頂期にあるプロデューサーの姿を浮き彫りにします。ゆっくりと動く山々を思わせるタイトル・トラックでファースト・シングルでもある”Canada”から、ブレイクビート満載の”Hero BK”、そしてバンクーバーを拠点とするボーカリストのSophia Stel、ロンドンのプロデューサーTom VR、ブリストルのYussh等との際立ったコラボレーションに至るまで、このアルバムがなぜ特別なのかは一聴して理解出来るでしょう。また、Lone、Four Tet、Skee Mask、Prioriといったプロデューサー達に対するJohnの影響についても触れない訳にはいきません。Prioriは次のように語ります。”Johnの音楽は、儚さを感じさせながらも決して壊れることのない強さを持っています。静かな強さに包まれた、ありのままの感情がそこにはあるのです。”
John Beltranの”Placid Angles”名義でのこの新作が、特別なプロジェクトの最後になるという噂はありましたが、彼は次のように述べています。”最後になるかもしれないと思ったよ。少なくとも、しばらくの間はね。でも、この名義のファン達がこのプロジェクトにこれほど大きな愛を注いでくれているんだから、彼らからそれを奪うわけにはいかないんだ ! ”それも当然です、彼が別名義、Placid Anglesのキャリアをスタートさせた最初のリリースは、Carl Craigのレーベル”Retroactive”からリリースされ、高く評価され、インスピレーションに満ちたシングル”Aquatic”です。当時、彼は”大きな影響を受けたのは808 State、Mr. Fingers、そしてBaby Fordだった。あのスクエアベースとジャズ・コードが大好きだった”と語っています。しかし同時に、イギリスのレーベルPeacefrogからリリースされたアルバム”The Cry”こそが、プロジェクトの方向性を決定づけたと述べています。今思えば、Johnは”The Cry”はレーベル、R&Sからリリースしたアルバム”Earth and Nightfall”の延長線上にある作品だったと語っています。”あのアルバムで使ったサンプリング技法や要素をいくつか取り入れつつも、より繊細で幻想的なサウンドを目指しました。ダンスフロア向けに完璧にミックスされたものではなく、自宅でじっくり聴く為の、感情と雰囲気に満ちた作品です。”
しかしその後、このプロジェクトは休止状態となっていましたが、2019年にプロデューサーのLoneが彼を見つけ出し、自身のレーベル”Magic Wire”からPlacid Anglesのアルバムをリリースすることになりました。当初、Beltranは本当にやりたくなかったそうです。彼はこう振り返ります、”僕はもうそのサウンドから離れていたんだけど、旅先でファースト・アルバムについて話す人がどんどん増えていったんだ。彼らの関心に興味をそそられたから、最終的にプロジェクトを復活させることに納得しました。” 又、Johnによれば、このリリースがきっかけで、2021年と2022年にPlacid Anglesの更なるリリースに向けて、レーベルのFigureとAd 93が”探りを入れてきた”と言う、、、
この新作アルバムのタイトルが”Canada”となったのは、彼が昨年、アルバムの仕上げ作業を進めていた時期にカナダを旅したこと、がきっかけとなったからです。彼は次のように詳しく語っています。”風景から人々まで、全てが自然に腑に落ちました、このアルバムを彼らと、あの美しい国に捧げることにしました。”
彼は更にこう付け加えます。”この作品には、Placidのこれまでの全リリースの要素が少しずつ反映されていると思う。このプロジェクトがこれまでも、そしてこれからもずっとそうあり続けるであろうものを、このアルバムに凝縮したと思います。” 彼のブレイクビーツへの愛について、他のプロデューサー達からいつも求められることです、が彼は今も明らかにその魅力に夢中です。”今の僕にとって、ブレイクビーツは神話のような存在なんだ。過去の人生からのサンプリング。もっとシンプルだった時代の断片。純粋なノスタルジア。それが”Placid Angles”なんだ。あの素晴らしい音楽の時代を振り返る一瞥だよ”。”Canada”では、過去が喜びに満ちた形で現在に息づいていますが、次世代のアーティスト達とのコラボレーションや、何度聴いても飽きないアルバムを作り上げるJohn自身の才能によって、本作は現代とも深く結びついた作品となっています。彼は会話の中で、Placid Anglesの音楽性を”女性らしさを表現した音楽のスケッチ”だと静かに語っていました。これこそが、彼の他の作品とPlacid Anglesのリリースが一線を画す理由です。さあ、耳を傾けてみよう。
2026年2月13日リリース
Produced by John Beltran a.k.a Placid Angles
Mastering by Rafael Anton Irisarri (Black Knoll)
Lacquer Cut : Anne Taegert (Dubplates & Mastering)
Artwork : Blair French
Layout / Typography : Tijl Schneider
Layout Strip Idea : Ventral Is Golden
Distribution : !K7
Album Campaign / PR : Gamall Awad
Copyright : Oathcreations