Fabiano Do Nascimento/Vila (LP")
リオデジャネイロのカテテ地区の喧騒の中に、鋳鉄製の門の奥にひっそりと佇む小さな路地があります。その突き当たりに広がるのは、ネオコロニアル様式の家々に囲まれたサアベドラ地区。ブラジルのギターの名手、Fabiano do Nascimentoが幼少期を過ごした場所です。1928年に建設されたこの静かな地区は、木製のシャッター、タイル張りの床、そして穏やかな雰囲気のベンチが特徴で、Do Nascimentoのニューアルバム”VILA”のタイトルの着想源となっています。そして、この作品は、トロンボーン奏者兼編曲家のVittor Santosが率いる16人編成のオーケストラとのコラボレーション・プロジェクトです。
リオデジャネイロとロサンゼルスで録音された”VILA”は、壮大でありながら優しく、温かみがあり、遊び心に溢れ、どこかノスタルジックな作品です。この驚くほど野心的な作品では、ミックスの中心に位置するNascimentoのギターが牽引する繊細な楽曲群を、Santosの息をのむようなオーケストラ・アレンジが包み込んでいます。それらはあらゆる方向に渦巻き、互いに引き立て合い、問いかけ、応答し合い、絶え間ない対話を繰り広げています。
Do Nascimentoが育った環境を彩る折衷的な建築様式と同様に、彼の音楽もまた、複数の世界を同時に横断しています。彼はブラジルのアコースティック・ギターの巨匠として知られ、その名声に基づいて、Arthur Verocai、Airto Moreira、、Itibere Zwargらと共演しています。しかし、ロサンゼルスのジャズや実験音楽シーンでも同様に活躍しているDo Nascimentoは、Sam Gendel やCarlos Ninoといったアーティストとの共演でも知られています。
Vittor Santosは、ブラジル音楽界の巨匠達、Joao Donato、Marcos Valle、Toninho Horta、Elza Soares等と数多く共演してきた編曲家兼トロンボーン奏者です。