Simon Haseley, Peter Reno/Great Day (LP")
”Great Day”はレーベル、Music De Wolfe屈指の名盤で、間違いなく最も入手困難なライブラリー・レコードの一つです。恐らく皆さんは既にご存知でしょうが、Madlib、LTJ Bukem、El-P、The Alchemist(その他多数)といった錚々たるアーティストたちがサンプリングに使用しています。もしご存知ないなら、ぜひ聴いてみて下さい。一度聴けば、VG盤の350ポンドという価格設定にも納得できるはずです、、、
1972年に初リリースされた本作は、Music De Wolfeの伝説的人物、Simon Haseley(本名Simon Park)と、作曲家とClifford "Cliff" TwemlowとPeter Taylorによる共同名義、Peter Renoの共作となっています。ちょっと混乱しましたか ? ご心配なく、この作品は、ブラックスプロイテーション映画を彷彿とさせるドラマチックでファンキーなブレイクビーツが満載された、他に類を見ないほど完成度の高いライブラリー・レコードの一つです。
アルバムは、心地よく爽やかなピアノ・ビートが印象的な”Little Big John”で幕を開け、続く温かみがあり深く情感溢れる”Summer Friend”で、重厚なドラムをフィーチャーしたモダンなオーケストラサウンドへと切り替わります。そして、このアルバムの最大のハイライトで、タイトル通りのヘヴィなサウンドが炸裂した”Hammerhead”は、力強く堂々としたオーケストラル・ファンク・ロックの傑作で、The High & Mightyの名曲”Dirty Decibels”や、Beyonceの名曲”Woman Like Me”のバック・トラックとしても使用されています。
続く”Crimson”は、メロディアスで哀愁を帯び、物思いにふけるような曲調で、オーボエが彩りを添えた、繊細な美しさを持つ柔らかなインストゥルメンタル曲です。ここでも、素晴らしいビートとブレイクが随所に散りばめられていいます。壮大なタイトル曲”Great Day”はメロディアスで力強い、ホーン・セクションが際立った、ミッドテンポのリズミカルな楽曲で、徐々に盛り上がりを増しつつ、かなり凄いフィナーレへと突き進みます。そして、A面を締めくくるドラマチックで力強い、攻撃的でスリル満点の1曲”Hard Crust”の、息もつかせぬワウ・ワウ・ファンク・ロックで更に盛り上がりを見せます、最高です !
B面は、ムラのないステルス的なクライム・ファンク”Highball”で幕を開け、ハモンド・オルガンを効かせた容赦ないフルート・ファンクが炸裂した疾走感溢れる”Bora”へと見事に繋げられます。そして、パワフルなワウ・ワウが素晴らしい”Hold Back”は、Madlib、El-P、Rakim、Sean Price、The Alchemist等にサンプリングされた心に響くオーケストラ・ファンク・ロック、その理由も容易に理解出来る威風堂々として、圧倒的な迫力です。
”Silver Thrust”の刑事ドラマ特有のファンク調は、疾走感があり、力強く、しつこいほどに耳に残ります。これはJohnny HarrisのLP”Movements”に収録された神がかった名曲”Stepping Stones”のカバー・ヴァージョンなのでしょうか ? いずれにせよ、アップテンポなドラム、ボンゴ、フルートの音色は、一晩中体を揺らさずにはいられなくなるでしょう。ダイナミックな”Convoy”は、ブラスとオルガンが炸裂した、スポーツ映画のサウンドトラックを彷彿させされるB-BOYブレイクスのモンスター曲です、スーパーボウル・ソウル ! 必聴の一曲。そして、強烈な”Barracuda”、この極めて類まれなセットの締めくくりとしてドラマチックなロック・フィーリングを、ファンキーなフルートのビートに乗せて展開します。この曲は、LTJ Bukemが2000年の名曲”Sunrain”でサンプリングしています。
”Great Day”のオーディオは、Be Withの常連であるSimon Francisによって入念にリマスターされ、かつてないほど素晴らしい音質を実現しています。そして、Cicely Balstonの卓越した技術により、編集工程で音質が損なわれることなく、オランダのRecord Industryにて最高水準のプレスが行われました。又、この待望の再発盤の仕上げとして、象徴的なオリジナル・スリーブが、Be With本社で復元されました。