tanz music records

Kenny Dixon Jr、通称Moodymannが”Black Mahogani”をリリースしてから20年以上が経過しました。このアルバムは深みのある雰囲気と情感に満ち、ディープハウス、ソウル、ジャズを縦横無尽に駆け巡る究極の旅路を提示しています。2004年に初めてリリースされた”Black Mahogani”は、間違いなくMoodymannの最も高く評価され、求められている作品の一つで、時代を超えながらもモダンであり、没入感と感情に響く体験は、デトロイトの深い音楽的遺産が持つ独特の特性を映し出しています。 このアルバムは、彼が1990年代半ばから後半にかけてリリースした希少で入手困難なKDJレーベルの12インチ・シングルが敷いたパズルの完成形です。故Amp Fiddler、Roberta Sweed、Norma Jean Bellといったデトロイトのレジェンド達の協力を得て、彼はアナログのサウンド・スケープとサンプルに新たなオーガニックな温もりを吹き込み、ディープ・ハウスというジャンルを拡張しつつ、同時に1970年代のソウルや映画音楽へのオマージュを捧げています。いつ抑え、いつ解き放つべきかを的確に理解するDixonの卓越したテンション・コントロールこそが、この作品”Black Mahogani”を不朽の名作たらしめている所以です。これは電子音楽における画期的な作品であるだけでなく、21世紀のアメリカ黒人音楽における決定的な声明なのです。