Wally Badarou/Simple Things (LP")

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商品コード 05234
販売価格(税込) 5,420 円
通常価格: 5,420 円
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アーティスト Wally Badarou
タイトル 1 A1 It Couldn't Be You
2 A2 You Can't Hide Always
3 A3 We'll Make It Again
4 B1 Walk Straight Ahead
5 B2 Painting My Life Blue
6 B3 Just Two Lovers
レーベル Be With Records
試聴リンク bewithrecords-1〜6

Wally Badarouはシンセサイザーの先駆者であり、音楽の博学者です。しかし、彼は自身の壮麗な楽曲に歌声を乗せることは滅多にありませんでした。新作”Simple Things”に収録された6曲は、Wallyが愛するアルバム”Colors Of Silence”の中から選りすぐったバッキング・トラックに、遂に彼の歌声を加えたものです。

これらの楽曲は元々、2001年にオリジナルCDのリリースに向けて制作されたものでしたが、今回Wallyはマスタリング済みのミックスにオーバーダブとボーカルを加え、いくつかの繊細な編集を施したに過ぎません。つまり、このアルバム”Simple Things”は、Wally Badarouの紛れもない天才性を改めて示した、真に素晴らしい作品なのです。

”Simple Things”は数十年の歳月をかけて作り上げられた作品です。実際、Wallyはこれらの素晴らしい曲を自ら歌うという発想だけでなく、英語で歌い、自身の歌詞を書きながら、まるで独自の生命を宿したかのような圧倒的なバックトラックと格闘していたのです。

Wallyは私達にこう説明してくれました。”これまで私が知られてきたインストゥルメンタル・アーティストとしての側面に加え、実はずっと、自分がそうであるかどうか確信が持てなかった、、歌手としての側面も存在していたのです。たとえ私の最初のアルバム”Back To Scales Tonight”が、確実に歌のアルバムだったにもかかわらずです。”

オープニング曲”It Couldn't Be You”は、ソカ・ファンクの珠玉”The Lights Of Kinshasa”のアップテンポなグルーヴを彩ります。Wallyが説明するように、この曲は”どこかの雨の夜、キンシャサの灯りの下で繰り広げられるシンプルなラブストーリー、女性と男性が、現代ではごく普通のオンラインデートで出会う。そして彼らは、すれ違う寸前で対面する”という物語です。”Colors Of Silence”用にWallyが録音したガイドボーカル(オルガンサウンド入り)は、彼が話せないコンゴの言語リンギュアラで言葉を紡ごうとしているように聞こえます。が、彼の歌声に合わせるには英語でなければ不可能、、、だからこそ自ら歌う決断は容易ではなかったのです。でも、結果的にはなかなか良い出来になったと思います !

”You Can't Hide Always”は、推進力ある”Smiles By The Millions”に乗せてWallyの深い懸念を歌い上げます。”ポピュリズム、排斥主義、急進主義、倫理と価値観が世界中でひっくり返されています。これらは全て、私達のソーシャルネットワークによって必然的に悪化しているのでしょうか ? 偽ニュースと誤った予言の海に浮かぶ、砂上の楼閣のように、いつの日か全てが崩れ落ちるかもしれません”。Wally はこのトラックを可能な限りシンプルに保ちたかったようです。しかし、結局バックボーカルとシンセブラスが加わり、スネアドラムなしの70年代テイストを心地良い形で提示しています。

明るく爽やかな”We'll Make It Again”は”Where Were We”にボーカルを加えたもので、トロピカルでレゲエ調の軽快なリズムが島々を駆け巡ります。彼曰く、”最後に”愛してる”と言ったのはいつだったか ? ありふれた感情を表現する単純な言葉ですが、決して単純に扱えるものではありません。傷ついた心の回復力についてのシンプルな歌です”。レゲエ調になったのは、Wallyが1999年のジャマイカ映画”Third World Cop”の音楽を担当していた時にこの曲が構想されたから、だそうです。

”Walk Straight Ahead”は、”Amber Whispers”、Colors Of Silenceのハイライト曲の深い静寂に、Wallyの美しく思索的で独特のボーカルを溶け込ませた作品です。それは滑らかで神聖、小さな旋律のマスターピースです。その極上の美しさに、あなたはうっとりするでしょう。Wallyが語るように”最初は囁きだった、甘い琥珀色の囁き。やがて色は濃くなり、暗い空が降り注ぐように感じます。それでも世界はひたすら前へ、まっすぐ前へ歩き続ける。あからさまな警告を無視し、あまりにも安易な同調の中に安住しすぎのようです。当初、歌詞は語りかけるように歌うつもりでした。しかし、歌いながらでも、その幻想的な雰囲気を損なうことなく表現できることに気づいたのです。”正にその通りです。

静謐で天上の響きを持つ”Painting My Life Blue”は”Days To Wonder”のボーカルバージョンでです。Wallyはこう語ります。”何十年も共に人生を歩んできた伴侶を失った時、どんな気持ちになるでしょう ? 一時的な喪失感を超えて、自分が大切なものを見失っていたことに気づき、そして突然、全てが見えてくるのです、、、この私にとって最も内省的な曲の為に、既存のバッキング・トラックの上にメロディーを乗せようと試みました。しかしずっと後になって、そのメロディが既存のキーボードパートに存在していたことに気付きました、あとはそれを適切にミックスするだけだったのです。”

深く感情に訴えかける”Just Two Lovers”は、元々は短すぎたものの素晴らしかった”Crystal Falls”を遥かに充実した傑作へと昇華させ、アコースティックギターの煌めきを際立たせた後、穏やかなヘッドバンギングを誘うようなパーカッションで完全に輝きを放ちます。Wallyは更にこう説明します、”親愛なる小さな緑の宇宙人達よ、教えて下さい。なぜ私達にそんなに頻繁に会いに来てくれるのか(フェルミの主張とは正反対に) ? そして彼らが歌ったと私が信じる返答はこうです、”君たちは探し求めていた鍵を手に入れたんだ。それは愛だ”。私は1985年頃に制作した初期のバックトラックに戻り、そこに既にメロディが存在していたので、アコースティックギターを追加して、歌いました。”驚くべき終曲です。

シンセサイザーのスペシャリストであるWally Badarouほど、その多大な影響力にもかかわらず過小評価されているアーティストは稀です。彼のソロ作品は、1980年代のバレアリックDJ達のサウンド、ひいてはそれ以降の洗練されたダンス・カルチャーのサウンドを事実上決定づけています。彼はCompass Point All Stars(with Sly and Robbie, Barry Reynolds, Mikey Chung and Uziah "Sticky" Thompson)の一員で、Grace Jones、Tom Tom Club、Mick Jagger、Black Uhuru、Gwen Guthrie、Jimmy Cliff、Gregory Isaacsといったアーティストの1980年代のアルバムを数多く手がけたスタジオ、Compass Point Studiosのハウス・レコーディング・チームでした。Badarouのキーボード演奏は、Robert Palmer、Herbie Hancock、Miriam Makeba、Talking Heads、M(Pop Muzik)、Manu Dibango、Marianne Faithfullといったアーティストのアルバムでも聴くことが出来ます。更に、彼はFela Kutiのプロデュースも手がけています。真意に驚くべき経歴です、ふぅ !

このコレクションのタイトルに込められた意味についてWallyに尋ねたところ、彼はこう説明してくれました。”これらは、日々の生活を築き上げている”シンプルなもの”です。シンプルなものほど説明するのが難しいものですが、満足のいくように、つまりシンプルな言葉で表現出来たとき、それらはより真実味を帯び、本質的なものとして伝えられるのものです。私は以前はほとんどしなかったことですが、他のクラシック・ソングの歌詞に深く触れ、それらを構成するシンプルな言葉の背後にある才能をじっくりと味わいました。そして、愛のような複雑な概念を表現する上で、それらの言葉がいかに力強いかを研究する素晴らしい時間を過ごしました。”

レコーディングは二段階で行われました。まず、2001年にWally自身のノルマンディーのスタジオで、主にハードウェアシンセとヤマハのデジタルコンソールを使用し、ほとんどのバックトラックを録音しました。その後、2023年後半にメロディーの微調整と歌詞の執筆を行い、2024年の夏にオーバーダビングを追加して、全ての楽曲を歌いました。Wallyは、”Digital Performerは、80年代からずっと私が使用しているDAWです。”と語っています。

Wallyの洗練されたシンセサイザーの音色と表現力豊かなキーボード演奏は、個性と生命力に満ち溢れており、この作品はあらゆるジャンル分けを超越した芸術作品となっています。Simon FrancisとCicely Balstonによってそれぞれ丁寧にリマスタリングとカッティングが施され、プレスは最高品質、オランダのRecord Industry社によるものです。時には、シンプルなものこそが最も素晴らしいものなのです。
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