DJ Romain/The New Jersey EP (12")
ディープ・ハウスと呼ばれるのには理由があります。”The New Jersey”EPで、DJ Romainは自身のルーツにただ頷くのではなく、それを深く掘り下げ、汗と記憶、そして敬愛の念が脈打つ、温かくリズミカルな核を掬い取っています。これは単なるリバイバルでもパスティッシュでもありません、その系譜を受け継ぐプロデューサーによる、ドラムマシーンとディレイに刻まれたラブレターです。90年代後半のニューヨークのダンスフロアの常連だったRomainは、街の裏社会で経験を積み、Todd Terryのようなアーティストから学び、後にこのジャンルの歩道に独自の痕跡を刻み込みます。この4曲を通して、Romainはかつてダンスクルー、セレブリティ、そしてナイトライフの人々を駆り立てたのと同じ衝動に駆られています。リード・トラックの”Hello New York”は無駄を省いたDJツールで、スナップを効かせたスネア、ジャッカマーなキック、そして誇りと高揚感に溢れたスポークン・ワードのヴォーカルを中心に構成された、ビッグルームのエネルギーを鋸のように切り刻んだ作品です。”あなたの闊歩に切れ込みを入れる、、、あなたの歩みにプライドを”、 これはマントラであり、ミッション・ステートメントでもあるます。”But It’s Alright”は雰囲気を一変させ、薄暗いコードと、深夜の地下鉄の乗車中のように滑らかに流れるミュートされたベースラインを通して、地下室のジャズセッションを彷彿とさせます。”Check Your Pockets”では、エネルギーは内側に向かい、抽象的で、熱波の靄の中を踊っているような、ぼんやりとしたサイケデリックなハウス・ジャムとなっています。EPの最後を飾るのは”Deep Inferno”、粘り気のあるアフロ・ファンクのポリリズム、ぶつかり合うヴォーカル・チョップ、蒸気圧のようなパーカッションが満載したピーク・タイム・バーナーです。奔放で催眠術的、そして壮麗なまでに生々しい”The Lost D.A.T.S.”シリーズで自身のアーカイブを再訪したRomainは、ノスタルジアを追求するアーティストとしてでなく、炎の守り手として”Hard Times”に戻り、今もなお革新を続け、汗をかき、フロアにしっかりと根を下ろしています。このEP”New Jersey”は確かにラブレターです、が同時にハウスは決して消え去っていないことを思い出させてくれます、、、ただ、更に深くなっただけなのです。