Dan Tyler & Nick The Record/Mr Bongo Edits Vol.3
親友でありRecord Missionの共同キャプテンであるDan Tyler(Idjut Boysの片割れ)とNick The Recordが、Mr Bongoの12インチ、エディット・シリーズの第3弾を手掛けます。Danny KrivitとLuke Unaによる前作に続き、DanとNickは70年代のキューバを代表する音源を厳選し、宇宙的な旋風を巻き起こします。A面ではDanがJuan Pablo Torresの曲を2曲選び、B面ではNickがGrupo Los Yoyiを取り上げ、レコーディングに手を加え、拡張し、手直しを加えることで、彼らは今日のダンスフロアのサウンドと構造的に合うようにトラックを再構築しました。
90年代初頭にIdjut Boysを結成したDanとConrad McDonnellは、ダブアウトでディスコ調のスタイルを作り上げ、数え切れないほどのプロダクション、リミックス、DJセットに浸透させています。DanがこのEPのためにリワークした2曲について次のように語っています。”Mr Bongoの素晴らしい音楽に魅了された私は、最近再発されたJuan Pablo TorresのLPに収録されている素晴らしい楽曲のいくつかに、エフェクトを加えて拡張してみました。ディスコ・ジョッキーやバーン・ダンス用にね。”
まずDanは、キューバの巨匠Juan Pablo Torresの1978年のアルバム”Algo Nuevo”に注目し、傑出した曲の一つ”Cacao”を取り上げ、より息づく空間を与えています。George Kranの83年のエレクトロニックなディスコ・アンセム”Din Daa Daa”を彷彿とさせるスキャットしたヴォーカル・ラインとパーカッシブなクライマックスをいじりつつ、更にコズミックなトリップアウトしたシンセとスペース・エコーのダブを加えることで、Danは絶妙な緊張感を生み出しています。このトラックは大型クラブのシステムで聴くと壮大に響き、バルセロナの素晴らしいボールルーム、ラ・パロマでプレイした際には、渦巻くシンセが天井を吹き飛ばすかのように感じました。
Danは次にTorresの1977年のアルバム”Super Son”に目を向け、サイケなラテン・ファンクのトラック”Pastel En Descarga”をダブ・リメイク。ディレイとドラマチックな要素を豊かに盛り込み、イントロのファンキーさを維持、パンチの効いた、飾り気のない、コズミック・ファンクの喜びにまで昇華させ、その魅力を拡張しています。
B面では、Tangentの共同設立者であり、長年Life Forceのレジデントであり、リワークの達人であるNick The Recordが、2009年に彼が最初に作ったエディット曲を再訪しています。 Grupo Los Yoyiの1977年のカット”Paco La Calle”を、オリジナル・カットの2倍以上の長さに編集したNickのエディットは、ダンサーをしっかりと意識して作られています。この秘密兵器は、ドラムとパーカッションが押し引きしながら徐々に盛り上がり、サイケデリックなシンセ・ラインがむせ返って戻ってくる前に、じっくりと煮詰められていきます。そして、この2025年バージョンでは、Danが新たな素晴らしいシンセラインをミックスに加える為、参加しています。