Toribio/Bring Dat Jazz (12")
ブルックリンのプロデューサー、バンドリーダーでDJであるToribioが、新たに立ち上げたBDAインプリントから2枚目の12インチをリリースします。ジャズ・ミュージックへの生涯の愛(Toribioはバークリーの卒業生である)に真っ先に飛び込んだ”Bring Dat Jazz EP”は、ジャズとダンス・ミュージックが交差するダイレクトな結果であり、彼のDJセットで何度も目にする事が出来ます。
DJ SpinnaとDanny Krivitのローテーションにもなっているミッド・テンポのファンク・ナンバー”Jazz Misconduct”で幕を開ける。この曲は、高名なテナー・サックス奏者、Joshua Redmanの楽曲をToribioがリフォーマットしたもので、バンプの効いたベースライン、ヴィヴィーなピアノ・コード、ソウルフルなオルガン・ソロが特徴的です。次に紹介するのはSam Gendel & Jacob Mannの ”Dr.T”のオフィシャル・エディット。原曲のスピリットはそのままに、Toribioはフロアの4人を増強し、ドラムをスイングさせ、シンセ・ラインにアクセントを加えながら、彼独自のアナログ的な華やかさを加えています。フリップの ”Bumples”は、サックス奏者のChris Potterを起用し、ノッキング・ジャズ・ドラム、シンコペーションのクラップ、必殺のホーン、そしてアシッド・ラインが終盤に入ります。Toribioは、アコースティック・ピアノとヴォーカル・チャントのエンディングで完全に見過ごされていた、そう、あの悪名高いトラックを、控えめなドラム・ブレイク、ねじれたシンセ・ライン、そして彼自身の歌声を取り入れる事で、誰も思いつかなかったような素材から天国のようなダンスフロアのシチューを作り上げています。ニューヨークのシーンで”Papi”の愛称で親しまれている彼の無限の創造性が、また一つ直接的に示されています。