DJ Sneak/Synesthesia EP (12")
DJ SneakがHeist Recordingsからリリースした”Synesthesia EP”で、自身のルーツに立ち返る。
昨年のADE期間中、DJ Sneakが私達のスタジオを訪れた時、私達は彼が長い間シーンに不安を感じていた全てのものを手放しハウス・ミュージックに新たに見出した喜び、現在の状況における音楽制作について、長い時間話をしました。ある時、彼は自分のハードディスクを何台も取り出して、サンプラーDave Smith & Pioneer Toraiz(私達がライブで使っているもので、彼が全ての楽曲のプロデュースとアレンジに愛用しているワークステーション)を立ち上げ、私達がこれまで見た中で最も印象的なデモのコレクションを見せてくれました。彼は、80年代に初めてMPC60を買ったばかりのプロデューサーのような熱意で、Heistへの新譜のアイデアを語り、彼の”Back to love”EPはまだリリース予定でしたが、私達は続編も同様に素晴らしいものになる事が早くも分かりました。
XLR8R、DJ Mag、Faith fanzineといったプラットフォームからのHeistデビューに対する素晴らしいフィードバックや、Joy Anonymous、Louie Vega、Jamie Jones、Honey Dijon、TSHA、Dj Seinfeld、Jennifer Cardini、CaristaといったDJからのサポートを経て、彼はHeistから新譜をリリースしました。そしてこの”Synesthesia EP”も又、DJスニークの生の才能が発揮された作品であり、機材を巧みに操り、クラシックなシカゴ・ハウスのリファレンス、90年代の陶酔感、そしてチャンキーなシンセサイザーを駆使した重厚なチューンを生み出しています。
EPは”I can tell what you want”で幕を開けます。これは、DJ SneakがいたずらっぽくチョップアップしたR&Bのボーカルに、シカゴでの形成期に取り入れたゲットーサウンドを少し加えた、深く弾けるグルーヴ感のある曲です。DJ Sneakはこのトラックでゲットーサウンドの影響を受け、キャッチーなヴォーカル、ムーディーなコード、意地悪なベースライン、巧みなサンプリングなど、全ての条件を満たしながら、まったく現代的なものを提供する事に成功しています。
最初のトラックが彼のシカゴ精神を体現しているとすれば、”A taste of the 90s”はDJ Sneakのニューヨーク精神を体現しています。ファンキーなギターとキーのリリック、ルーピーなホーン、シャッフルするパーカッション、アレンジの切り替えの多さで、彼はクラシックなハウス・ミュージックの楽しさを見事に教えてくれます。期待感を高めたり、分厚い低音でエネルギーを解放したりする為に、常に別の要素が追加されたり削除されたりしています。若きDJ Sneakが初めてレコードを回した頃のようなエネルギーに満ちた、真のパーティー・スターターです。
フリップには”Dirty jazz”、このとてもおもしろい一切れのディープ・ハウスは、オフキルターなドラムとシンコペーションのベース・ライン、そして風変わりなサンプル・カットを中心に構成されています。エネルギーを持続させるのに十分な力強さと、いつプレイされても注目を集める奇抜さがあります。
エンディング・トラックの”You know what I mean”は、曲が終わってもずっと耳から離れない、奇抜な響きのヴォーカルがもう1層加わっています。このトラック、そしてEP全体から、自分の音楽性に完全に馴染んでいるプロデューサーの遊び心溢れるエネルギーがにじみ出ています。Sneakのようなアンダーグラウンドのヒーローならではの気品があり、楽しく、遊び心に溢れています。
この”Synesthesia EP”で、DJ Sneakは彼自身の音楽的ルーツを深く旅した個性溢れる4つのトラックで、あなたをハラハラドキドキさせてくれるでしょう。
このレコードを今直ぐ手に入れ、愛を分かち合いましょう、Heist Recordings。