Edmundo Arias/Guepa Je! (2xLP")
このアルバムを聴けば、50年代、60年代のコロンビアにタイムスリップ出来ます。 当時、カリブ海や太平洋沿岸のトロピカル・ミュージックが、コロンビア本土の音楽シーンを席巻し、この時期の重要人物の一人がEdmundo Ariasです。 ルーチョ・ベルムデス、パチョ・ガランと共に、Ariasはコロンビアのトロピカル・ミュージックの作曲家”ビッグ3”の一人と見なされています。彼はどちらかというと内向的な性格で、スポットライトを浴びる事を極力避けた為、彼の作品は同時代の作品に比べてあまり知られていません。このアルバムで、Edmundo Ariasが残した素晴らしい遺産にスポットを当てたい。メデジンやボゴタの暑い夜、豪華なボールルームで、おしゃれな服装をしたミュージシャン達が最高級のクンビア、ポロス、その他のトロピカルサウンドを奏でているビッグバンドを思い浮かべて下さい。
2024年9月6日リリース
Edmundo Dante Arias Valenciaは1925年11月5日、バジェ・デル・カウカのトゥルアの音楽一家に生まれました。 父親のホアキン・アリアス・カルドサはバンドリーダーで作曲家であり、子供達に音楽を教えていました。Arias は、ギター、ベース、バンドラ(マンドリンに似た洋ナシ型の弦楽器)、ティプル(12弦ギター)、クラリネット、サックスなど多くの楽器の演奏を学びました。そして、彼が非常に才能のあるミュージシャンである事が判明し、父親と兄のリカウルテと一緒に”Trio Arias”を結成しました。一家は仕事を見つた場所によって、コロンビア全土の様々な都市に住みました。 1948年に父親が急死すると、Edmundoとリカルテは音楽家として家族を養わなければならなく、1951年にAriasは、当時コロンビアの音楽産業の中心地であり、最も重要なレコード会社と最高のミュージシャンが拠点を置いていたメデジンに移る事を決意します。Ariasがミュージシャン、作曲家、編曲家、そして当時のコロンビアの主要レーベルであるゼイダ、オンディーナ、シルバー、ソノルクスのバンドリーダーとして名を馳せるまで、それほど時間はかかりませんでした。ソノルクスでは、最終的に芸術監督になっています。長年にわたり、彼は何百もの曲を書き、自身のオーケストラやOrquesta Sonoluxで多くのアルバムを録音し、多くの場合クレジットされていない無数のミュージシャンとコラボレーションしています。
ルーチョ・ベルムデス、パチョ・ガランと共に、Edmundo Ariasはコロンビアのトロピカル音楽の作曲家”ビッグ3”の一人とみなされています。しかし、Ariasが有名であったにもかかわらず、彼の私生活については殆ど知られていません。 彼は謙虚な人物で、裏方で働くことを好み、スポットライトを浴びる事を極力避けました。 彼はインタビューを断り、公の生活から遠ざかっていました。Ariasは、自分の名前を冠したオーケストラのライブ演奏の際、自分がステージに上がる必要がないように、楽員の一人に自分のふりをするように頼んでいます。しかし、Ariasは内気で反社会的だと思われるかもしれませんが、そうでもありません、 Ariasと一緒に仕事をした殆どの人は、彼の事をとても陽気でユーモアのある人だと言い、一緒に仕事をする事を楽しんでいたようです。
公の場での彼の姿は見えませんが、舞台裏での彼の存在感は大く、自分の作品に取り組んでいない時は、他のミュージシャンと定期的にコラボレートしていました。 Ariasは多くの同僚達の作品に手を貸し、若いアーティスト達の指導者でもありました。当時、メデジンの音楽家は皆、何らかの形でAriasと仕事をした事がある、と言う人さえいます。Ariasの厳格な労働体制があり、作曲、編曲、レコーディングは昼間は寝ながら夜行うという体制でした。又、彼は非常に生産的でもありました。 ある時、バンドが別の曲をレコーディングしている間に、僅か数分で16人編成のバンドのアレンジを書いたという話もあります。 彼の勤勉さと生産性は、何百もの作曲と彼の名を冠した多くのレコードを生み出しています。
Edmundo Ariasのキャリアは、1993年1月29日に亡くなるまで60年以上に及び、長年を歩んで彼は私達に大きな遺産を残しています。このレコードに収録されている曲は、50年代から60年代にかけての彼の作品のセレクションです。 この時期を彼のキャリアの絶対的なハイライトと見る人は多く、私達は、この時期の録音から最も優れていると思われる曲を選んでいます。このコンピレーションのタイトル”Guepa Je!”は、クンビアで喜びやお祝いを表現する時に良く使われるコロンビアのスラングです。 自由に訳せば、”イェーイ”、”レッツゴー”、”グルーヴィー”といった意味になります。 プロモ・パレイバーはこれで割愛し、このタイトルで十分だと思います。音楽を楽しみましょう、Guepa Je !