Arthur Russell/In The Light Of The Mirale (12")
遂に ! Arthur Russellの”In The Light Of The Miracle”の伝説的なリミックス2曲が初めて市販用でリリースされます。どちらも超越的な傑作として広く認められており、”聖杯”という称号に相応しいものです。
これらの長く愛されているミックスは、永遠に続いて欲しいと願うタイプのものです。このリリースで、私達はもう少しでその願いを叶える事が出来ます。遂に、この衝撃的なミックスが世界中のArthurファンに広く提供される事になりました、これこそ音楽の完成形です。
ディープなロフトの名曲”In The Light Of The Miracle”はArthur存命中は未発表のままでしたが、1993年にPhillip GlassのPoint Musicからリリースされた”Another Thought”にオリジナル・ヴァージョンが収録された事でようやく発見されました。Steve Knutsonによると、”Another Thought”の制作当時はSteve D'Aquistoが監修したリミックスのコンパニオン・アルバムをリリースする予定だったが、そのプロジェクトはこの”In The Light Of The Miracle”の2つのリミックスまでしか進まなかったようです。
センター・ラベルのデザインを詳しく調べると、Point Musicは12インチでリリースする予定だったが、実現しなかった事が窺えます。Gilles PetersonがPoint Musicのオフィスを訪れた際にこのリミックスを聴き、”Talkin' Loud”からのリリースを希望したという話です。どれだけのホワイトレーベル盤が世に出たかは定かではありません、が矢張りこれらのリミックスは正規のリリースに至る事はありませんでした。
これらのリミックスは、オリジナルを拡張し、新たな高みへと昇華させています。A面の13分のリミックスはDanny KrivitとTony Smithによるもので、編集はTony Morganが担当しています。Arthurの場合はいつもの事ですが、音楽を説明する事はほとんど不可能です。ディスコ?ガレージ・ハウス?アヴァンギャルド?これらのタグはどれも、その威厳を正当に評価するものではありません、聞く事が一番です。信じられないほど素晴らしいパーカッシブな要素でオリジナルを引き伸ばし、深くスピリチュアルな別世界の領域にまで到達させたこの音楽は、言葉では言い表せないほど美しい。多くの人が主張しているように、これは”あらゆるもの”の原型です。
90年代半ばにTony Morganがプロデュースした”Ponytail Club Mix (Part 1 & 2)”は、よりアップテンポなスタイルで、ヴォーカルはミックスの高い位置に、BPMは120にアップし、ハウシーな4/4のキックドラムが加わっています。14分の大作で、よりストレートな ”クラブ・フレンドリー ”ミックスと言えるかもしれません(だが、Arthurの場合、物事はそんなに単純なものなのだろうか?!)又、他のヴァージョンでは使われていない、詩人Allen Ginsbergをゲストに迎えたヴォーカル等、実に興味深いヴォーカルパートもいくつかあります。
これらのリミックスは、アルバム”Another Thought”と制作した同じオリジナルプロジェクトの一部である為、スリーブが一致するのは当然の事だと思います。Janette BeckmanがArthurの写真をもう1枚使わせてくれた事に改めて感謝します。その他のデザインは1994年にAnother ThoughtでMargery Greenspan、Tina Lauffer、Michael Klotzが手がけたものを受け継いでいます。
Simon Francisが両トラックのオリジナル・オーディオをリマスタリング、そしてCicely BalstonがAIRスタジオで錬金術の為に施した正確なカッティングによって、この12インチは本当に素晴らしいものとなっています。レコード業界による完璧なプレスで、この信じられないほど引っ張りだこの宝物は今年だけで無く毎年、より多くのコレクションに収蔵される事を確実にするでしょう。