Il Guardiano Del Faro/Oasis (LP")
1940年ミラノ生まれのFederico Mon Arduiniは、幼少からピアノを学び、8歳のときからすでにコンサートで演奏していた神童です。他のアーティストのためにポップソングを作曲し、何百万枚ものセールスを記録しましたが、ソロとしての成功は、70年代初頭にシンセサイザーと出会ってからが始まりです。
ニューエイジ・サウンド・アートの先駆者として知られるArduiniは、イタリアで最初にムーグ・シンセサイザーを使用したプロデューサーの一人として知られており、ニューヨークでBob Moogと会ったことが、そのこだわりをさらに強めました。
彼はまた、エレクトロニック・プロデューサーの間で流行している、自分の正体を隠すためにモニカーを使うというやり方をいち早く取り入れた人物としても知られ”Il Guardiano Del Faro(灯台の守護者)”は、Arduiniが70年代半ばにスタジオを構えたイタリアの小さな漁師町、ポルト・サント・ステファノにちなんだ名義です。
電子楽器とテープレコーダーを駆使した多くの海辺の牧歌を生み出していますが、中でも”Oasis”は群を抜いています。1978年にリリースされたこのアルバムは、実験的なサウンドと感情的な表現でカルト的なクラシックとなります。アルバム全体をスピリチュアルなシンセ・サウンドが、アンビエントとサイケデリックの間を行き来しながら、夢のような靄で覆っています。そして、ローランドのリズムボックスを惜しげもなく導入したダンスフロアの人気曲”Disco Divina”や”Oasis”はスペース・ディスコのタッチで、レジェンドSun Palaceの様なプロト・ハウスの要素さえ感じられます。