Last Life/侍栽培五 (12")
Samurai Musicの中心的存在として長年活躍してきたLast Lifeが、SAIBAIに初登場。トレードマークの唸り声を影のようなサイケデリアとうねるようなビートダウンへと変貌させています。2015年以来、Mauro Picciauはハーフタイム170付近で生まれる空間を最大限に活かしたサウンドを追求し、リズムをゆったりと広げつつ、力強さを存分に引き出しています。この新作では、より繊細なトーンとテクスチャーへと方向転換し、D&Bとディープテクノの交差点で巻き起こっている革新的な芸術性の潮流に真っ向から乗り出しています。オープニングトラック”Gear Cutter”では、うねるような緊迫感が溢れるサウンド・デザインが曲の雰囲気を鮮明に描き出し、Picciauはミックスの前面で優雅に歪みながら広がるメタリックなフィードバック音で表現力を発揮しています。そして、このトラックには強い物語性が感じられ、そのダイナミックな動きを前面に押し出しつつ、緊張感を高める為に意図的にエネルギーの変化を抑制しています。”Norma”はより儀式的な雰囲気を帯びており、安定したビートに身を委ねながら、遠くに漂うメロディックなアンビエントの雲が、パーカッシブなマントラの周りに魅惑的な雰囲気を醸し出しています。”Radian”は、ミニマルでテクノの精神に満ちた独自の言語を語り、異世界的な囁きや鋼のようなドローンを駆使して、EP全体に漂う神秘的な霧を損なうことなく、より軽やかな響きを奏でています。”The Moat”は、より重厚なドラムを前面に押し出し、EPを締めくくるります。巧みなリバーブと緻密にコントロールされたシンセのパルスで空間を形作っています。エコーチェンバーの中、そして本作全体を通じて、Picciauはその忍耐強いアプローチを活かし、ミックスの中に極微細な波紋を織り込み、熱心に耳を傾けるリスナーに喜びを与え、どんなに微かな音であっても常に感じられるような躍動感溢れる生命力を作品に吹き込んでいます。