Bruno Berle/Sem Fronteiras (LP")
Bruno Berleは、シンガー、ソングライター、プロデューサー、マルチ・インストゥルメンタリストであり、現代ブラジル音楽ムーブメントの象徴的存在です。そして、洗練されたソングライティングの腕前と驚くべき歌声により、彼の音楽は世界中の人々の心を掴んでいます。2022年にリリースしたデビュー・アルバム”No Reino Dos Afetos”以降、Berleはイギリス、ヨーロッパ、日本、韓国、中国で公演を行い、2023年に初めて母国ブラジルを離れます。こうした旅の経験から生まれたBerleの3枚目のスタジオ・アルバム”Sem Fronteiras(国境なき世界)”は、統一された世界というユートピア的なビジョンを反映しています。
ロンドン、サンパウロ、ミナスジェライス州、ドイツ、マセイオでレコーディングされたこのアルバムは、長年の音楽パートナーであるBatata Boyとの共同プロデュースで、Berleがこれまで手がけてきた作品の中で最も壮大なスケールとを誇っています。広々とした空、朝の日差し、鮮やかな色彩、そして人と人との繋がりの魔法、、、これらは、彼の楽曲制作を常に彩ってきたイメージそのもので、それらが作品全体に息づき、Berleによる入念に練り上げられた詩的表現と温かみのある繊細な楽器の響きが、この鮮やかな楽曲群を力強く支えています。
”私は何もないところから這い上がってきた”、Berleは、世界的な名声を得たことを決して当然のこととは思ってはいません。
ブラジル北東部、経済的に最も貧しい地域の一つであるアラゴアス州の労働者階級の家庭に生まれたBrunoは、両親が仕事を見つける度に転居を繰り返し、最終的に沿岸部の州都マセイオに落ち着きます。”以前はカルアル、サンタ・クルス、レシフェ、ガランフンス、アラピラカといった場所へよく旅行していました。それらの街が大好きだったし、今の生活リズムに順応する準備が出来たと感じています。でも同時に、幼馴染がいないことや、絶えず環境が変わる生活を送っていたせいで、絶え間ない変化に対して少し感覚が麻痺してしまったような気もします”、アルバム”Sem Fronteiras”にも、同様の二面性が表れています。このアルバムは、ライブツアーがもたらす集団的な喜びと人との繋がりを称える一方で、国境を越えることの暗い現実にも向き合っています。音楽はかつてないほど世界中を自由に駆け巡るようになっています、が私達の身体は音楽と同じように自由に移動が出来る訳ではないのです。
Berleは自信に満ち溢れていますが、才能だけではチャンスが保証される訳ではないことを認識しています。”セカンド・アルバム”No Reino Dos Afetos 2”以前は、僕の才能を信じてくれた人々の助けと優しさによって、全ての作品を制作しています”、その優しさを返したい、ブラジルの深刻な不平等社会の最前線にいる人々を助けたいという強い思いから、Berleはブラジル北東部出身の同胞、Nyron HigorとPhylipe Nunes Araujoのセルフタイトルアルバム(いずれも2025年リリース)をプロデュースし、参加することで、二人の国際的な舞台への進出を後押ししています。こうして、NyronとPhylipeのアルバムや自身のアルバムの成功を受け、Berleは現在、サンパウロを拠点としつつも、主にアラゴアス州やペルナンブコ州といった北東部の州出身のアーティスト達で構成された、活気溢れるコミュニティの最前線に立つことになったのです。
1970年代にミナスジェライス州で生まれた有名なムーブメント、”クルベ・ダ・エスキーナ(Clube Da Esquina)”と同様に、彼らは自由なアイデア交換を基盤に活動しています。互いに曲を作り、互いのアルバムに参加し、ライブでも共演し、リード・シングル”Manha”は、正にこの精神から生まれた楽曲です。この曲は元々、Berleの友人で、同じアラゴア出身のJoao Menezes(Brunoの過去のアルバムに収録された”Ate Meu Violao”と”Te Amar Eterno”の作詞者)とMarvin Vieraによる、2018年のアルバム”Areia e Mar”に収録されていたものです。
”Sem Fronteiras”は”Voce^ Ja´ Sabe Que Eu Te Amo”で幕を開けます。ナイロンギターによるたった6拍のコードが鳴り響いた後、キーが変わり、フェンダー・ローズの穏やかな響きと、BerleとHigorの息をのむようなコール&レスポンスのデュエットへと道を開き、”Amor Inteiro”で力強いPedro Lacerdaのドラムと、喜びに溢れたNina Maiaのバック・ボーカルが、Berleと彼のバンドがステージで放つライブのエネルギーを凝縮し、アルバムは祝祭的なカタルシスの高まりを迎えます。
この音楽コミュニティの豊かな才能を核とした”Sem Fronteiras”は、2026年7月10日にFar Out Recordingsよりリリースされます。そして、Bruno Berleを中心にNyron Higor、Phylipe Nunes、Batata Boy、4人編成のバンドでヨーロッパ各地を巡り、Berlにとってこれまでで最大のライブとなるデンマークのフェスティバ”Roskilde Festival”への出演で締めくくる、サマーツアーも予定されています。 彼は、アーティストやミュージシャンが、音楽の流れと同じように自由に動き回れる世界という、希望に満ちたビジョンをこれからも持ち続けていくでしょう。