Peryl/Phase Alternations (2xLP")
波が重なり合う部分で位相がずれると位相の交替が生じ、音の隠れた構造を明らかにします。それは、Perylが意図的に許容している現象で、 そうする事によって、音楽の物理的および技術的な側面に注目の的を集めることになります。彼のニューアルバムは、エレクトロニック・ミュージックの根本的な理念を土台としつつ、それを新たな視点で再構築した作品です。制作過程では、Perylという人物や欲求は二の次になり、長年にわたり研究されてきた機械達の、潜在意識と対話しながら表出るものを一纏めに、直感的に受け取り、伝達する単なる媒体として機能します。その結果、精巧に作り込まれたアナログ・シンセサイザーの響きそのもののような、全9曲からなる作品集が完成しました。同じ音は二度と戻ってきません、その脆さが切迫感を掻き立てます。それは、耳を傾け、コミットし、形が再び消える前に現れるのを許すという創造的な必然性です。リズムはもはやグリッド上ではなく、一連の小さな変化、ずれ、そして遅れによって成り立っています。ループは僅かに同期がずれてしまう、ずれは摩擦を生み出し、摩擦はエネルギーを生み出します。そして、コーラス、フェイザー、フランジャーといった位相効果の重層的な相互作用を通じて、音は互いに異なるリズムを刻みながら息づき始め、空洞が現れ、ウネリが互いに折り重なる。こうしたウネリに挑戦することが、このアルバムの本質的な部分です。エフェクトは微妙な変化の中で息吹を吹き込まれ、インダストリアルなテクスチャーがメロディーを囁き、独自の論理によって紡ぎ出されたリズムの中で折り重なり、解きほぐれ展開します。Perylは、ある実験の成果を”Phase Alternations”で提示します。それは、音そのものが自らの形を選ぶという試みです。