tanz music records

2025年中にTresor Recordsは、デトロイト・ハウスとテクノのオリジネーターであるBlake Baxterの、1992年の”Dream Sequence”から始まり、1995年のアルバム”Endless Reflection”まで膨大なTresorカタログを、、年代順にデジタル化します。ジャンルの真の創始者であり、Tresorとの繋がりが初期にまで遡るアーティストの回顧展の開幕と祝賀のため、レーベルは特別な12インチ・リリース”Dream Sequence X”を発表します。このアルバムには、初期のリマスター・トラックを収録し、彼の作品の中でもハードな側面を強調しています。

ポスト・パンクとファンクに影響を受けていたBaxterは、1985年という早い時期から音楽制作を始め、1991年までにはUnderground Resistance、KMS、Incognitoといった名門レーベルから数々の重要なレコードをリリースし、画期的なUKコンピレーション・アルバム”Techno! The New Dance Sound of Detroit”にも複数のトラックを提供しました。このアルバムは、多くのヨーロッパのリスナーにとってこのジャンルを知るきっかけとなり、”テクノ”という用語を定着させ、多くのアーティストの国際的なキャリアをスタートさせるきっかけとなりました。

1992年、BaxterはUR史上初のヨーロッパツアーでTresorに初めて出演し、今では伝説となっているベルリン-デトロイト-コネクションの先駆けとなった。この訪問をきっかけに、Mills、Banks&Hoodの”X-101”、Baxterの”Dream Sequence”から始まる、クラブの新生レーベルとの長く実りあるパートナーシップが始り、この新作12インチの最初の4曲は”Dream Sequence”収録されています。

後に彼は、彼の特徴である魅惑的なヴォーカルとハウス・ミュージックに近い滑らかな音楽スタイルで更に有名になりますが、これらの初期のトラックは90年代の重厚でクラシックなテクノであり、当時のインダストリアル、ポスト・パンク、ポップスの影響が見て取れます。正にタイムカプセルとも言えるこのコレクションは、ジャッキングな909のドラム、強烈でレイヴなシンセ・スタブ、クラシック・ソウルからのブレイクビーツのサンプル、そしてスピーク&スペルのボイスシンセサイザー等、当時のクラシックなサウンドとスタイルが余すところなく収録しています。全トラックはManmade Masteringによるリマスターが施され、現代のダンスフロアに新たな活力と鋭さを吹き込むに違いありません。

南山の寿とは言い難く、称賛の言葉が安易に使われる現代において、Blake Baxterが現代音楽に与えた長年にわたる影響は、いくら強調してもし過ぎることはありません。彼の先見の明は、今日に至るまで現代のエレクトロニックやポップスで聴くことが出来、この度の一連のリマスターによって、世界中がその音源を聴く絶好の機会となるでしょう。