Ghost Dubs/Extended Damaged Versions (12")
Ghost DubsことMichael Fiedlerは、”ザ・ワイヤー”誌の2024年年間最優秀ダブ、レゲエ・アルバムに選ばれる等、絶賛されたLP”Damaged”の大成功に続き、”Extended Damaged Versions”をリリースします。昨年のアルバム収録曲6曲を、Fiedler自身によって再構築したダブ・リワークを、再びThe BugのレーベルPRESSUREからリリースします。2025年3月に、フルのデジタル配信(注、これまでデジタル配信されているのは”Chemical Version”と、心に残るステップ・ミュージックの”Wired Version”の2つのミックス。)と、アナログ盤でリリースされるます。
ダンスフロアを突き動かす、抗えないほどの震動を放つ”Dub Regulator”のグラインドで幕を開ける。この曲は、オリジナル・ミックスを奇跡的に凌駕する、真に驚異的なサウンドです。このオープニング・カットは、重厚感と激しさを魅惑的に増し、Fxまみれの狂気が更にパワーアップしていく、ドロイドの催眠術が鳴り響く狂気です。このミニ・アルバムのミュータントなダブ・テクノは、”Damaged”に続く魅力的なリリースで、Fiedlerは、自身のオリジナル音源を外科手術のように切り刻み、より歪んだ変種へと次々と変化させ、オリジナルを嬉々として溶けたスペース・エコーの断片へと原子化しています。要するに、前作のオリジナル曲の全てを、バージョンごとに執拗に探り、伸ばし、変形させています。
”Thin Dub”は、飽和と蒸発を同時進行させるマスタークラスで、エコーチェンバーの奥底で意図的に液化されている。既に”Damaged”に魅了されている人なら(Pole、JK Flesh、Echospace、Valentina Magalettiなどが最近その素晴らしさを認めています。)、”Chemical Version”で更なるリバーブの滋養を得られるに違いありません。重く鎮静化されたディレイ・トレイルの渦を放ち、蜃気楼のような音の壁のようなサウンドで終わるこの曲は、どことなく水面下で絶頂期を迎えたPorter Ricksを彷彿とさせます。
最後に、”Lobotomy Version”のアンビエントな脈動が、このアルバムを最も深い空間に漂わせます。この見事な作品集は、Michael Fiedlerが、ミキシング・デスクの魔術に没頭しながら、彼の得意とすることを反映したもので、ヘビー級のトラックを魔法のように純粋なブードゥーに改造し、難なく呪文を唱える彼のライヴの魅惑的な形態も反映させています。”EDV”は”Damaged”のみを搾り取ろうとした試みではありません、オリジナルの素材を壮大で新鮮なダブ・オデッセイへと変貌させたものです。それ故、独立した勝利を生み出したのです。