Merope/Vejula (LP")
Meropeのこれのリリースの中でで最も実験的でオープンマインドなフルアルバム”Vejula”は、コラボレーションと遊び心の祭典であり、Shahzad Ismaily、Laraaji、Bill Frisellが参加しています。このデュオの5枚目のアルバムは、前作同様、リトアニアのフォーク・フォームをルーツとしながらも、そこから見慣れぬ風景へと勢いよく飛び出し、古代のテーマを現代の哲学、コンセプト、テクノロジーとごちゃ混ぜにしています。繊細なインストゥルメンタルのシークエンスと幽玄なヴォーカルが、繊細なシンセ・ワークと刺激的なフィールド・レコーディングの豊かなタペストリーに織り込まれています。アルバムの冒頭を飾る”Kouma lil”では、Indre JurgeleviciuteとBert Coolsが、カンクルス(リトアニアの伝統的な弦楽器)のデジタル画像とJurgeleviciuteの声を用いて、有機的なものと人工的なものの境界を曖昧にする実験的な試みを行っています。一方”Suiakmo”では、フランス人パーカッショニストのToma Goubandドが、Jurgeleviciuteの優しい言葉とCoolsのシュールで官能的なエレクトロニクスに、特注の響石によるパーカッションを加えています。”Vejula”は、過去への拘りを失う事なく、未知の領域に到達したアルバムです。Meropeはキャリアの中で新たな創造的段階にあり、これほど普遍的、あるいは生命力に満ちたサウンドを奏でた事はありません。